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projects#002 日比谷モンシェルトントン@ザ・ペニンシェラ東京のフードタイル

projects#002 日比谷モンシェルトントン@ザ・ペニンシェラ東京のフードタイル

photo:kenta hasegawa

projects#002
日比谷モンシェルトントン@ザ・ペニンシェラ東京のフードタイル

Date:2020
Client:SERYNA Co., Ltd.
Craft:大西陶芸
Design:upsettters architects


projects#002 日比谷モンシェルトントン@ザ・ペニンシェラ東京のフードタイル

photo:kenta hasegawa

OUTLINE

ザ・ペニンシェラ東京の5階にオープンした、1961年創業、日本料理の老舗 瀬里奈 が展開する鉄板焼「mon cher ton ton(モンシェルトントン)」。その店舗の顔ともなる、15メートルを超える鉄板焼カウンターのフードの仕上げとして使う、タイルを製作しました。


projects#002 日比谷モンシェルトントン@ザ・ペニンシェラ東京のフードタイル

Photo : 大西陶芸

BACKGROUND

今回のタイルは、オリジナルの棒型形状で、およそ700枚程度を誤差1mm以内に収めること、天井に向かって自然なグラデーションを表現することが求められました。一般的な量産品としては数が少なく、一点一点作るにはコストの面でも精度の面でも難しい依頼でした。建築の仕上げとして耐えうる精度と一点一点の微妙に異なるグラデーションによる揺らぎを成立させることが求めら
れました。


projects#002 日比谷モンシェルトントン@ザ・ペニンシェラ東京のフードタイル

Photo : 大西陶芸

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釉薬のグラデーション検討
Photo : upsetters architects

IDEAS / PROCESS

砥部の窯元の特徴として、作品としての一点ものをつくっているところが多いため、小ロットのオーダーには適しているものの、まとまった数で精度が求められるケースには対応が難しいことがあります。今回は、型と手作業を組み合わせて、中ロットの特殊な量産に実績がある大西陶芸さんに製作をお願いすることとしました。

形について
1mmの誤差を考えた場合、型を使ったとしても、形を安定させる為には最終的に手作業による丁寧な調整が必要でした。その為、石膏型から抜き取り、乾燥させた生地を研磨して形を整え、素焼きした後に再度研磨して形を整える工程とすることで、安定した量産を実現しました。

色について
過去に試した釉薬のストックをベースに、理想のグラデーションを表現するために、濃度と手法のテストを何度も繰り返しました。最終的に、濃度の異なる釉薬を使って、手作業で一枚一枚に色を重ねるように吹付けていく方法とすることで、滑らかで自然な揺らぎが生まれるグラデーションを目指しました。


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Photo : upsetters architects

RESULT

型による成形と手作業での調整を組み合わせる事で誤差1mmの安定した形状と約700枚の量産を実現しました。手仕上げによる一枚一枚僅かに異なる表情と、釉薬による自然な揺らぎのあるグラデーションタイルは空間の象徴として相応しい重厚感と、繊細なニュワンスを両立するタイルが完成しました。

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photo:kenta hasegawa


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