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project#007 愛媛県新第二別館 官民共創拠点「E:N BASE」の内装タイル

project#007 愛媛県新第二別館 官民共創拠点「E:N BASE」の内装タイル

写真:曽我部洋平

project#007 愛媛県新第二別館 官民共創拠点「E:N BASE」の内装タイル

Date:2026
Client:愛媛県
Craft:大西陶芸
Design:オンデザインパートナーズ


project#007 愛媛県新第二別館 官民共創拠点「E:N BASE」の内装タイル

写真:曽我部洋平

OUTLINE

愛媛県庁新第二別館に新たに整備された官民共創拠点「E:N BASE」は、多様な人々が出会い、つながり、共に挑戦する共創の出発点として、人口減少や社会構造の変化といった地域課題に対し、行政と民間、企業、教育機関などが連携し、共創による解決を推進する拠点として位置づけられています。

施設内には、イベントステージ、打ち合わせスペース、カフェ、キッチン、小上がりなど、多様な活動に対応するオープンスペースが整備されており、ワークショップやセミナー、ミートアップ(交流会)など、さまざまな共創活動を促進する環境が用意されています。また、先進的なICT機器の導入や運営スタッフによるサポートにより、利用者同士の交流やプロジェクトの立ち上げを後押しする仕組みが構築されています。

このような背景のもと、Shiro Aoは、施設内のキッチン壁面などに用いられる特注タイルの制作・納品を担当。地域資源である砥部焼を公共空間へ展開し、空間体験を通じて愛媛の文化や魅力を伝える役割を担いました。

写真:曽我部洋平

BACKGROUND

本プロジェクトにおいて、内装設計を担当したオンデザインパートナーズから求められたのは、空間コンセプトである「重なり合い」を体現するタイル表現の実現でした。単なる仕上げ材としてではなく、空間の思想と呼応する意匠として、砥部焼の特性を活かした新たな表現が求められました。

Shiro Aoとしてはこれまでも空間用途への展開をいくつか実践してきましたが、県庁施設という誰もが利用する公共空間においては、意匠性だけでなく、均質性や耐久性、施工精度といった観点において、一定の水準での成立が求められます。

また、色の再現性や釉薬の個体差、凹凸表現における仕上がりのばらつきなど、工業製品とは異なる前提条件の中で、空間品質としてどのように成立させるかが重要な課題となりました。

写真:白青

IDEAS / PROCESS

― 形状・構成 ―
タイルは80mm角および40mmの半割りを基本とし、複数のモジュールを組み合わせることで空間にリズムを生み出す構成としました。また、凸凹による半円パターンや刷毛引きによる1/4円の表現など、単体と集合の双方で意味を持つデザインが検討されました。

― 表現手法 ―
表現は大きく3種類を軸に構成:
・刷毛引きによる半円表現
・凹凸形状+釉薬の浸し掛け
・全面浸し掛け

これにより、平滑・テクスチャ・色の濃淡が重なり合う多層的な表現を実現しています。

― 色 ―
呉須をベースに、濃度や種類の異なる6種を選定し、それぞれを均等に配置することで、単調にならないグラデーションと揺らぎを生み出しました。

― 制作プロセス ―
初期段階では3Dプリンターによる型押しなども検討されましたが、最終的には石膏型による成形へと移行。凹凸の深さ(約3mm)や釉薬の溜まり方、黒点の出方などを細かく検証しながら仕様を確定しました。

また、刷毛引きの精度を担保するために専用の治具を大西陶芸が自作開発し、手仕事でありながら一定の再現性を持たせる工夫を行っています。

さらに、釉掛けと刷毛引きの色の見え方を揃えるための濃度調整など、仕上がりの統一感と個体差のバランスを取るための試行錯誤を重ねました。

写真:白青

RESULT

最終的に、約2,000枚規模のタイルを、複数の表現・色のバリエーションで制作。均質な工業製品ではなく、わずかな揺らぎを内包した集合体として空間に展開されています。
完成したタイルは、釉薬の濃淡や溜まり、凹凸による陰影が重なり合い、空間コンセプトである「重なり合い」を視覚的・触覚的に表現する要素となりました。また、同一形状でありながら一枚ごとに異なる表情を持つことで、空間に奥行きを与えています。
本件は、砥部焼の持つ素材的・技術的な特性を建築スケールへと拡張した実践であり、建築素材として機能する可能性を示す取り組みとなりました。

写真:曽我部洋平


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